INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント (2003):映画短評
INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント (2003)DIYの高潔も難点も引き受けた独特の音楽ドキュメント
フガジはハードコアパンクのシーンでも特異なポジションにあったバンドだが、その強い個性は、説明的な描写がまったくない本作でもくっきりと浮かび上がってくる。
禁欲&非商業主義の姿勢は、マネージメントからツアーの移動まで、自分たちで行なう姿から見てとれる。暴力を徹底的に拒絶し、ライブで暴れた客を追い出すことも。”最近の彼らは説教くさくて嫌い”というファンの声も収めているが、そんな全体の空気を捉えたリベラルな視点がいい。
単なるアーティスト賛歌ではなく、批判もトラブルも受け入れる、音楽ドキュメンタリーとしてはユニークなつくり。R.E.M.等のPVを手掛けてきたJ・コーエンのグッドジョブ。
この短評にはネタバレを含んでいます