リミット・オブ・アサシン (2017):映画短評
リミット・オブ・アサシン (2017)ライター2人の平均評価: 3
全てを失った殺し屋が復讐に挑む因果応報のアクション
言わば、アクション映画で最後から2番目くらいに殺される敵の凄腕殺し屋を主人公にした作品である。家族を食わせるため、と割り切って巨大な裏組織の悪事に加担してきた男が、その家族を失い組織に見捨てられたことで反逆に転じ、贖罪のため正義の側へ回ることになる。
そんな主人公の余命は24時間。それまでに敵を倒さねばならない、というのがストーリーのミソだが、そうしたギミックよりもむしろ因果応報のドラマとしての方が見どころだろう。若手の殺し屋に「悪いこと言わないから職を変えろ」なんて説教する辺りも面白い。その設定やイーサン・ホークの超絶アクションから『ジョン・ウィック』とも比較されるが、似て非なる作品だ。
もっと“動ける”イーサン・ホーク
『マグニフィセント・セブン』では、どこか埋もれた感もあった“動ける”イーサン・ホークだが、今回は独壇場! 本作がデビュー作となるスタント・コーディネーター出身の監督の下、キメキメの二挺拳銃に、ド派手なカーアクションと、しっかり飛ばしてくれる。タイムリミットな流れなど、『都会の牙』(もしくはリメイク『DOA 死へのカウントダウン』)の系譜といえるハードボイルドだが、『LOOPER ルーパー』にも出てたシュイ・チンも、なぜかアクションを披露。中国資本ゆえのキャスティング、ロケもあるが、アブなさを醸し出したケープタウンでのロケは効果的。加えて、ルトガー・ハウアーの強引な出演シーンは、ご愛嬌!