あまねき旋律(しらべ) (2017):映画短評
あまねき旋律(しらべ) (2017)美しい歌声の向こう側に見る生きる知恵
独特のポリフォニーが耳に入る前に、山岳民族ナガの人たちの身体能力に驚く。
老若男女が高地で、猛烈な勢いで畑を耕しながら歌うのだ。ガチ体育会系。
インパール作戦に独立運動と度々、戦に巻き込まれた場所柄。
日常的に心肺能力を高める習慣があるのか。
同様に歌は、村の安全や互いの無事を知らせる合図の意味合いもあるのかもしれない。
思わず伝統が受け継がれてきた背景をおもんばかる。
生を謳歌する歌が山に響く今は、まさに平穏の証。
そして民俗学の記録としての価値はもちろん、その歌声を捉え、整音した製作陣の技術力の高さにうなる。
この短評にはネタバレを含んでいます