嘘はフィクサーのはじまり (2016):映画短評
嘘はフィクサーのはじまり (2016)世間に認めてもらいたかった孤独な中年男の悲喜劇
政治を題材にしているが政治映画ではない。主人公はしがないユダヤ人の中年フィクサー…というより仲介屋ですな。ユダヤ人脈を使って権力者のトラブル解決を引き受け、代わりに何かをしてもらうのが彼の仕事なのだが、政界・財界の大物に取り入ろうとするものの全く相手にされない。ところが、たまたま恩を売ったイスラエルの無名政治家が後に首相となったことから人生が一変。それまで無視してきた連中が、彼に口利きを求めて殺到する。みんなの期待に応えようと奔走する主人公だが…。地位も名誉もない孤独な男が、世間から一目置かれたいばかりに口八丁手八丁で嘘を重ね、やがて自らを窮地に追い込んでしまう。なんとも切ない。
この短評にはネタバレを含んでいます