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クマ・エロヒーム (2018):映画短評

クマ・エロヒーム (2018)

2018年12月22日公開 76分

クマ・エロヒーム
(C) 映画「クマ・エロヒーム」製作委員会
森 直人

76分の新人監督作――なのに「大作」の匂い

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

『惑星ソラリス』や『インターステラー』と繋いでも違和感がないと思う。何かと盛りがちなSFジャンルにおいて、丹念なロケーション&16mmフィルム撮影で立ち上がる「引き算の発想」で構成された画の力と主演二人の芝居が素晴らしい。「無国籍SF」的な意匠の中で浮き彫りになるのは人間同士の実存や愛の問題だ。

創世記の一節が冒頭で引用されるようにアダムとイブの物語の変奏だが、この少子化対策が厳格に敷かれた世界ではヤヌーカ(赤ちゃん)が出来ない事が「罪」となる。このプレッシャーは切実な共感を呼ぶはず。他にも現代社会/日本の縮図的エピソードを連鎖させた『ショート・カッツ』のような3時間の大長編版を観てみたい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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