おっさんのケーフェイ (2017):映画短評
おっさんのケーフェイ (2017)今回、すごくいい闘いをしてるじゃないか!
古いラジカセから流れる入場テーマ、チッツの名曲「メタルディスコ」に合わせ、大阪のおっさん(川瀬陽太、名演)が河原で練習中。彼に5年2組のズッコケ三人組で一番冴えない少年が接近する。『お父さんのバックドロップ』や『レスラー』より下層に潜り、プロレスの虚実の皮膜から浮かび上がるルーザーの悲哀を演出する。
監督は谷口恒平。『あの娘はサブカルチャーが好き』がMOOSIC LAB 2013で山戸結希のグランプリ作『おとぎ話みたい』とカップリング上映され、ある種の伝説を残した男だ。ダメさを徹底させたドブの中で何某かの宝を掴んでくる意地と眼を継続させつつ、意外にタフな奴が橋の下からリングに上がってきたぞ!
この短評にはネタバレを含んでいます