僕たちは希望という名の列車に乗った (2018):映画短評
僕たちは希望という名の列車に乗った (2018)『いまを生きる』感を狙った実録ドラマ
“ベルリンの壁ができる5年前”、わずか2分間の黙祷という行為によって自国を敵に回してしまった若者たち。手段を選ばぬ卑劣なやり方で、彼らを精神的に追い詰めていく恐怖が描かれていくなか、全体的なトーンとしては、しっかり青春映画。『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』の監督だけに、単なる実録モノに終わらせない巧さが随所に見られ、邦題の方が原題(「沈黙する教室」)より作品のテイストをしっかり出している。親子の関係性も描かれているが、明らかに『いまを生きる』を狙った作りということで、国は違えど同じテーマの『ナイト・オブ・ペンシルズ』のような圧倒的なインパクトには欠ける。
この短評にはネタバレを含んでいます