マイ・ブックショップ (2017):映画短評
マイ・ブックショップ (2017)心の狭い人間と文学は相入れないということね
舞台がイギリスの漁村で、読み聞かせ的なナレーションが入るが、ほのぼのした物語にあらず。傲慢な金持ちと権威に弱い庶民の醜さを見せつけられて唖然。和やかな日常会話に潜む悪意が恐ろしい! 知らずに田舎町の住民を敵に回した女性店主フローレンスの毅然とした佇まいが際立つし、演じるE・モーティマーの素朴な美がキャラに見事にハマった。文学老人役のビル・ナイとの相性も素晴らしく、二人のシーンは本当に美しい。変化を恐れる狭量な保守派と進歩的なリベラルの戦いと見ることもできるが、単純に本を愛することと信念を曲げないことの大切さを伝えたかったのだろう。クラシカルな衣装とおしゃまな子役がいい味出している。
この短評にはネタバレを含んでいます