アナと世界の終わり (2017):映画短評
アナと世界の終わり (2017)ライター2人の平均評価: 4
『ショーン・オブ・ザ・デッド』の新たなフォロワー登場!
『ロンドンゾンビ紀行』同様、良質な『ショーン・オブ・ザ・デッド』フォロワーだが、地元を抜け出したいヒロインを始め、諸事情を抱えた悩める高校生たちの姿は、ジョン・ヒューズ信者にはたまらないところ。程よいグロさに、暴走する半グレ集団を仕切る元カレに、ちょいと『ゾンビ』のトム・サビーニの狂気も見られるなか、ミュージカルの軸であるオリジナル楽曲がどれもポップでキャッチー! “好きなミュージカル映画は、『サウスパーク/無修正映画版』”な監督のコメントも納得だ。後半の失速感など、惜しいところもあるが、『高慢と偏見とゾンビ』のように残念なことになっておらず、愛すべき一編に仕上がっている。
裏キーワードは"グラスゴー"!
ゾンビ映画でミュージカルで高校生学園もの、とキーワードはいろいろあるが、裏キーワードは"グラスゴー"。舞台がスコットランドのグラスゴーの小さな町なのだがそれだけじゃなく、音楽を担当している2人がどちらもグラスゴー出身で、登場人物たちが歌う曲の数々が、なんだかどれもグラスゴー出身のインディバンドっぽい雰囲気なのだ。そもそも高校生たちが自分たちの毎日について歌う曲の繰り返し部分の歌詞が「ハリウッド映画のエンディングじゃないんだし」なわけで。そういうグラスゴーの地元自慢のインディ魂がゆる~く注入されてるので、その方面のファンは必見。もちろん、ただの学園コメディだとして見ても笑えて楽しい。