三人の夫 (2018):映画短評
三人の夫 (2018)今村昌平オマージュたっぷりな“オトナの人魚伝説”
フルーツ・チャン監督の“娼婦三部作”最終章だけに、ガチで香港でしか撮れないオトナのためのファンタジー。『岬の兄妹』ならぬ“海上の父娘”で幕を開け、かなり悪趣味入った艶笑譚は、ロマンポルノ<<キム・ギドク<<<今村昌平といったところ(実際に“うなぎ”も登場!)。三人の夫を持つヒロインと人魚伝説の関係性を探る後半の展開もあり、18㎏増量した主演女優の肉体は、まるでジュゴンのようで圧倒的な存在感を放つ。その一方で、『天使の涙』で金城武の父を演じて泣かせたチン・マンライが義手の夫を怪演。政治的解釈もできる唐突なラストも含め、久しぶりにチャン監督の力技を魅せつけられた感アリ!
この短評にはネタバレを含んでいます