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最初の晩餐 (2019):映画短評

最初の晩餐 (2019)

2019年11月1日公開 127分

最初の晩餐
(C) 2019『最初の晩餐』製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

山縣みどり

食事が思い起こさせる、家族のあり方や存在意義

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

 通夜ぶるまいに家族の思い出の食事を提供する設定が単なるギミックで終わらず、家族のあり方や存在意義について深く考えさせてくれる人間ドラマだった。各メニューにまつわる懐かしい逸話だけでなく、家族それぞれが抱えてきた感情を掘り起こす演出も心地よい。前半に登場する親族の一言で、平凡な家族ではなさそうと見当をつけるも、徐々に明かされる秘密には意表を突かれた。両親役の斉藤由貴&永瀬正敏に加え、人生に迷っている姉弟役を演じた戸田恵梨香と染谷将太もとてもリアル。子役や葬儀客にいたるまで役にきちんとなり切っていて、絶妙のアンサンブル。
 余談だが、最初に出されるチーズエッグを真似したけど美味でした。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

家族の意味と在り方を探る静かな感動作

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 夫婦が子連れ同士で再婚した少々複雑な家族。父親の葬儀で久しぶりに集まった母親と兄弟が、思い出の詰まった料理の数々を食べながら過去の出来事を振り返り、長年胸の内に溜め込んでいたわだかまりを吐き出すことで、失いかけていた家族の絆を取り戻していく。家族とは一体何なのか?という普遍的なテーマを追究した作品。それだけに一歩間違えるとベタになりかねない題材なのだが、人間の繊細な心のひだを丹念にすくい上げた脚本と、それを説得力のあるリアルな芝居で表現した役者陣、そしてあえて抑制を効かせながら登場人物たちの感情に寄り添った演出のおかげで、なんとも胸に沁みる愛すべき映画に仕上がっている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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