風水師 王の運命を決めた男 (2018):映画短評
風水師 王の運命を決めた男 (2018)ライター2人の平均評価: 4
権力欲に憑りつかれた人間の愚かさと浅ましさ
基本プロットは韓流時代劇の定番といった感じだが、そこに風水占いを絡めたのがポイント。李氏朝鮮時代の末期、宮廷の実権を握る悪徳大臣の一族に妻子を殺された天才風水師が、同じく大臣に恨みを抱く王族グループと組んで復讐を果たそうとする。そのカギを握るのが風水占いというわけだ。最強の運気を持つ土地を巡って繰り広げられる凄まじい謀略の応酬。ある程度の予測のつくストーリー展開ではあるものの、しかし権力欲に憑りつかれた人間の愚かさと浅ましさを見せつけられるようなラストには戦慄する。安易なハッピーエンドにしなかったのは大正解。豪華な美術セットやカメラワークも堂々たるものだ。
野望と陰謀を燃え上がらせる、占いの恐ろしさ!
権力闘争に巻き込まれた風水師の復讐劇は、最高の運気を宿す地相<明堂>を求める王族や深謀遠慮する逆臣の力関係の変化がドラマティックに描かれ、見ごたえたっぷり。衣装や美術も凝っているし、チョ・スンウやペク・ユンシンといった渋い演技派の熱演も素晴らしい。李氏朝鮮最後の王となった憲宗が国政にほとんど参加できなかった事実から発案した物語だが、人心を操り、野望と陰謀を燃え上がらせる、占いの恐ろしさを実感。日本にもいるらしけど、占いに頼る政治家はやはり信用できないと思った次第。とはいえ風水に従ってデスク配置した編集部の好調を見ているので、「信じよさらば報われん」ってことでしょうね。