ハリウッド1969 シャロン・テートの亡霊 (2019):映画短評
ハリウッド1969 シャロン・テートの亡霊 (2019)負の伝説に対する別の想像力
これはびっくり。まさしく『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のB面シングルのような怪作だ。似た着想ながらニュース映像も交えた禍々しい再現フィルム調。“ヘルター・スケルター”のメッセージが隠されたチャールズ・マンソンのテープ(楽曲「Cease to Exit」)。ホラー仕立てだが、ポランスキーの『反撥』や『袋小路』を思わせる神経症的タッチも強い。
最も興味深いのはシャロン役をヒラリー・ダフが演じ、製作総指揮も務めていること。彼女が50年前の残酷な「運命」に馳せた想いとは。このタイミングでドキュメンタリー『シャロン・テート殺人事件』(72年)がなんとかDVD化されないかと願っている。
この短評にはネタバレを含んでいます