みぽりん (2019):映画短評
みぽりん (2019)ユルさと自由さが珍妙な味わい
「近年の自主(映画)は、クオリティ高すぎ!」とお嘆きの方に、おススメの一本だ。“地下アイドル版『ミザリー』”にしては緊迫感とは程遠い展開が続くなか、とにかく粗雑で、サブキャラが放つギャグがひたすら寒い。なのに、徹底的に語られる「アイドルとは?」に対する新旧価値観の相違だけは、妙に刺さってくる。ガチなドルオタが撮るような気持ち悪さもない。そして、“自主なんだから何でもアリ!”を再確認させられる自由すぎるラスト10分。『ゴーストマスター』より実直に映画と向き合っているし、本物のアイドルを起用したB級ホラーより好感度高し。ご当地映画の新しいカタチとして観ると、これまた興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます