スーパーティーチャー 熱血格闘 (2018):映画短評
スーパーティーチャー 熱血格闘 (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
子供の可能性を信じる熱血漢、ドニー先生に教わりたかった
ドニー・イェンが教師に扮し、問題を抱えた生徒やその家族を体を張って更生させていく姿が痛快。貧困や受験戦争、移民差別や男子優遇な風潮、土地&住宅問題と香港が抱える社会問題にも触れていて、ドニーの社会派としての側面ものぞく。アクション演技だけでスターになったわけではないのだ。子供の可能性を信じる教師がいれば、子供もその信頼に応えようと頑張るという図式を単純すぎると思い人もいるかもしれないが、その単純さにこそ真実があると感じた。ドニー先生に教わりたかったな。
「熱中時代」(ドニー編)
「GTO」ばりにバイクで登場するドニー先生が、生徒たちのお悩み解決! ドニーさん念願の企画であるが、社会的背景や双子や人種など、さまざまな家庭環境の問題児を観るかぎり、“高校版『小さな園の大きな奇跡』”を狙った感も強し。つまり、かなりドラマ性が強く、やたら説教臭くもあり、ドニーさんの生真面目さが裏目に出た感も。また、そことアクションパートでメリハリがついているかといえば、そうでもなく、『死亡遊戯』オマージュともとれる中盤のロッカールームでのバトルがベストという微妙さも。教室内を舞台にしたクライマックスは、せめて『鉄拳高/同級生はケンカ王』ぐらい盛り上げてほしかった。