どこへ出しても恥かしい人 (2019):映画短評
どこへ出しても恥かしい人 (2019)心のビタミン、友川カズキ
友川のドキュメンタリー映画は『花々の過失』に続いて2作目。ライブと競輪と酒に明け暮れる日常を追った内容は重なる部分も多い。そうと分かっていても存在感に圧倒され、”ありのまま”の友川は裏切らない面白さがある。ただ油断していると、酔拳のごとく放たれる友川語録の数々に脳天を撃ち抜かれるから注意だ。中でも「人生何かに酔わなきゃ、突っ走れない」。友川の場合は競輪で熱中するものがあるからこそ日々を乗り切れるということだが、理不尽なことが堂々と政治の場でまかり通る今、酒でもゲームでも何かに酔ってなきゃやってらんないという意味にも取れる。深い。ちなみに本作の撮影は2010年。ブレずに生きる人の言葉は、強い。
この短評にはネタバレを含んでいます