色男ホ・セク (2019):映画短評
色男ホ・セク (2019)ライター2人の平均評価: 3.5
ジュノの魅力が詰まったアイドル映画
ジュノが(歯の浮くような)甘い言葉を囁き、華麗に舞い、小ボケもカマす。また、画の才能があったり、チョン・ソミン演じるヒロインに淡い恋心を抱いたりと、『二十歳』との共通項があるほか、彼の役者としての成長も楽しめる本作。入口こそ、“妓生版『デュース・ビガロウ』”ノリなラブコメで、チェ・グィファ扮する元王族とのバディ感も笑わせるが、後半には韓国映画おなじみのシリアス展開に突入し、切ないラブストーリーとして着地する。斬新ながらも現代に通用する設定やWonder Girlsのヒット曲「Tell Me」のアレンジなどの演出もあり、現在兵役中のジュノの姿を拝めるアイドル映画としては及第点といえるだろう。
明るくセクシーなホストのサクセス物語ではありません
妓生の男性版が主人公なので、ローランドの「俺か、俺以外か。」的なホストのサクセスな物語かと思ったら、風刺とユーモアに満ちた快作史劇だった。お気楽なラブコメではあるが、根底にあるのは階級社会への怒りや従順を強いられる女性が感じる圧迫感へのアンチ。ナム・デジュン監督作はこれが初見だが、ストーリーテリングの巧みさと笑いのセンスが実に好み。主役のジュノは人気アイドルらしいキラキラとした輝きを放ちつつ、身分を超えられない哀切も感じさせる熱演。そしてホ・セクが恋するお嬢様の下女を演じる子役コ・ナヒちゃんが大人顔負けのコミック・タイミングで笑わせてくれた。彼女も要注目の存在だ。