羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来 (2019):映画短評
羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来 (2019)ライター2人の平均評価: 3.5
『ガルパン』音響監督を迎え、スケールアップした「日本語版」
池袋の劇場で、留学生から業界関係者を熱狂させた日本初上映から1年、誰よりクリエイターが驚いているだろう、豪華すぎる「日本語版」。ジブリ作品に通じる人間と妖精の共生をテーマに、白熱のバトルシーンだけでなく、天然なムゲンなど、オタ心をくすぐるキャラ立ちやギャグセンスなど、随所に見られる日本アニメへのリスペクトがアツい。これを「中国アニメはここまで来た!」と取るか、「オリジナリティに欠ける!」と取るかで、評価は変わってくるが、新たに音響監督に『ガールズ&パンツァー』でおなじみの岩浪美和を迎えたことで、よりスケールアップした感アリ。激早な字幕スピードに戸惑った人こそ再見の価値アリ。
驚くほど日本語吹替がハマる中国産ファンタジーアニメ
環境破壊と土地開発によって住む場所を奪われてしまった妖精たち。そんな現実を踏まえて人間との共存を模索する穏健派と、奪われた自然を取り返すため人間への復讐を計画する急進派、その両者の板挟みになってしまった幼い妖精シャオヘイが、人間界と妖精界の均衡を保つために活躍する。ジブリ作品を彷彿とさせる世界観からも察せられるように、日本アニメからの影響が色濃い中国産のファンタジーアニメ。それだけに、今回の日本語吹替版は予想以上に相性抜群だ。外国産アニメとは思えないくらい吹替版声優陣の芝居がハマっている。字幕版を既に見ているという方々にもおススメ。