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ミッドナイト・スカイ (2020):映画短評

ミッドナイト・スカイ (2020)

2020年12月23日公開 122分

ミッドナイト・スカイ
Netflix 映画『ミッドナイト・スカイ』12月より独占配信開始

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.4

山縣みどり

地球の最期に現実感がありすぎて怖くなる

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

汚染で死にゆく地球に残った余命わずかな科学者と人類の移住先を発見して地球に帰還しようとする宇宙船の乗組員の物語で構成されたSF調の人間ドラマだ。終焉に直面した人類はどのような行動にでるのか? 生き残ることと家族のどちらを優先させるのか? G・クルーニー演じる科学者オーガスティンの贖罪の物語であると同時に、種の存続をかけた人類の戦いでもある。テーマは壮大だが、パーソナルなエピソードがいくつも綴られるため、観客が登場人物に感情移入するのは容易い。地球の最期に現実感がありすぎて怖くなるが、希望を捨ててはいけないとも思わせた。そして、極寒の撮影に耐えた子役の頑張りに拍手!

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

リターンマッチ

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

これまでSFジャンルだけは鬼門だったジョージ・クルーニーがNETFLIXと組んで挑んだ最新作。
主演に加えて、監督、製作も兼任。役者としての顔を見せるのは少し久しぶりな感じがしますね。それだけ、気合が入っているのでしょう。特異な環境で独り芝居に近いのですが、グイグイと物語を引っ張ていて流石の存在感です。
役者兼任監督で常にアベレージの高い作品を残してきているので、この道は続けて欲しいものです。いずれはイーストウッドのような立ち位置になってくれれば最高です。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

2つの世界が接触し、どちらも大きく変わる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 女性宇宙飛行士が新たな惑星で見る光景の幻想的なほどの色鮮やかさ。宇宙飛行士たちが船外作業するときに周囲に満ちる白い光線の純度の高さ、透明感。彼らが乗る宇宙船の形は、外観も内装もどこか生物の器官を連想させるような柔らかな曲線を持つ。一方、その宇宙とは対比的に、ある科学者が生きる人類滅亡寸前の地球の北極は、雪と氷と寒さに閉ざされてどこまでも冷たく暗く硬い。
 このまったく異なる2つの世界が、それぞれ別種の危険に直面しながら、通信を介して接触する。するとその接触により、どちらの世界も大きく変わる。それと同時に、SFサバイバル・サスペンスが叙情的人間ドラマに変貌し、深い感動を与えてくれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

「あの映画みたい」とあちこちで思わせる

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

最初の設定は面白いのだが、見ていくうちにゼロ・グラビティ」「オデッセイ」「アド・アストラ」「エイリアン」から「レヴェナント」(脚本家が同じ人)まで、いろんな映画で見たシーンをついつい思い出してしまう。ある程度は仕方ないのかとも思うものの、このジャンルでも個性的な新作は常に出てきているし、今作には残念ながら他と差別化できる強いものがないと思った。地上にいる孤独なクルーニーのシーンは緊迫感があるが、宇宙船のシーンはドラマに欠け、これまた既視感の連続。クルーのキャラクターが浅く、見せ場も少なくて、才能あるキャストだけにもったいない。衝撃のラストも、見る人によって受け止め方が違うだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

地球危機の壮大な物語ながら、節度を極めた演出が効果的

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ゼロ・グラビティ』では宇宙で究極のヒロイズムを発揮したG・クルーニーが、今度は地上から宇宙船を救う役回りというだけで胸アツだが、監督としてのセンスも光る。2049年の地球の危機は派手に描かず、じんわり静かに、わずかにドッキリ描写を入れて恐怖を伝える。途切れ途切れの交信も含め、「あからさま」とは無縁。一人の博士の悲壮な決意と自己犠牲に、さまよう宇宙船のドラマに「集中」する作りが、観る側を没入させる。美しすぎる宇宙船の外観や、最先端システムと、ポイントのアクションへの力の入り方も好バランス。「感動」という点では、想像どおりと感じる人も、予期せぬ仕掛けで驚く人も、いずれも心にしみわたるレベルかと。

この短評にはネタバレを含んでいます
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