科捜研の女 -劇場版- (2021):映画短評
科捜研の女 -劇場版- (2021)![科捜研の女 -劇場版-](https://img.cinematoday.jp/a/T0025899/_size_640x/_v_1629346881/main.jpg)
ライター4人の平均評価: 3.5
新旧キャラに加え、『いとみち』駒井蓮も登場
世界中で起こる科学者たちの変死を扱いながら、海外に飛んだりせず、京都・東京間を行き来するマリコさん。『-劇場版-』だからといって、ワイヤー&『アメリカン・ビューティー』な展開以外は、変に気負い立ったりしない通常運転だからこその面白さといえる。さすがは「相棒」や「名探偵コナン」も手掛ける櫻井武晴の脚本であり、新旧キャラの絡みが事件解決に繋がっていく展開や思わずニヤリの小ネタなどがてんこ盛り。シリーズ初期からのコアなファンからライトファンまで取り込むお祭り感もありつつ、佐々木蔵之介演じる宿敵の助手役で駒井蓮も登場。『いとみち』と異なる気が強いキャラ&ヘッドギア姿も見逃せない。
サザエさんや寅さんのレベルで、不変に完成されたマリコ
シリーズが続いても、まったく変わらぬ魅力をキープする沢口靖子のマリコ役。専門家の指導の下、20年以上にわたる法医学研究員としての細かい部分での「手つき」「身のこなし」はもちろん、要所での天然キャラ炸裂も、ひとつの芸の完成形かと。
今回はスクリーンを意識し、ドラマ版とは明らかに違うカメラワーク、夜のシーンのライティングのこだわり、過度に美しい装飾、事件のサプライズ感が盛り込まれる。とはいえ、人間関係、各人物のやりとりは通常モードなので、基本的にドラマファンへの大感謝祭な作り。初見の人には多少、混乱も生じると心配しつつ、おおらかに許容したい。エンドロールに浸りたい映画ならではの余韻は、やや不満。
シリーズのファンなら楽しめること間違いなし!
未知の細菌を巡る科学者の連続不審死事件を巡って、榊マリコら京都府警科学捜査研究所のお馴染みの面々が真相解明に乗り出す。劇場版だからといって下手に大風呂敷を広げたりしないのは、少なくとも本作に限って言えば大正解。基礎研究を軽視する日本の現状に対する危機感を事件の背景に織り交ぜつつ、基本的にはテレビと同様にライトなノリが貫かれる。さすがに全員というわけにはいかないものの、過去シリーズのレギュラーや印象的なゲストキャラが本編のあちこちに顔を出すファン・サービスも嬉しい。マリコの母親を演じた故・星由里子の登場にもホロっとさせられる。シリーズへの愛情あふれる作品。
入門編&ファン感謝祭
元のドラマシリーズにはほぼ手を付けてこず、この映画から科捜研に入った組ですが、シンプルに楽しめました。流石は櫻井武晴脚本作品といったところですね。
一方で、シリーズを追いかけている人々にとってはまさに”ファン感謝祭”と言った作りの一本になっているといっていいでしょう。
沢口靖子&内藤剛志を筆頭に脇まで豪華なキャストが続々と登場。そんな彼らの前に立ちはだかる佐々木蔵之介の抜群の存在感がまた頼もしい。
入門編にしてファンサービス要素満載の感謝祭という二つの相反する要素を絶妙なバランスで映画に落とし込んできたなという感じです。