デンジャー・ゾーン (2021):映画短評
デンジャー・ゾーン (2021)ライター2人の平均評価: 4
2036年の近未来アクションが鋭い問いを突きつける
史上最強兵士の製造を目指すスーパーソルジャー計画は、その過程でキャプテン・アメリカを誕生させたが、それを押し進めると本作のような存在を生み出すのかもしれない。その存在を、キャプテン・アメリカから盾を引き継いだファルコン役のアンソニー・マッキーが演じているところもポイント高い。
もうひとつの魅力は、近未来SFアクションの楽しさと鋭いテーマ性のカップリング。2036年のリアルな近未来世界、マシン兵士とマッキー演じるアンドロイドの大尉の超高速バトルは目に楽しく、その一方で、大きな目的のためなら少数の犠牲は正当化されるのか、紛争地の人々にとって軍事介入とは何なのか、そんな鋭い問いを突きつけてくる。
近未来バディムービーとして、アクションも結末も上等
舞台は2036年。同じようにロボットが生活の一部の『アイ,ロボット』が2035年だったが、今作のロボットはバラエティ豊富。ロボット兵士団はあくまでも「マシン」で、主人公の一人、ロボット将校は感情もほぼ人間と同じ「アンドロイド」。この多様性で『ターミネーター』や『チャッピー』など同種作品が脳裏をかすめるのが、SF映画的楽しみ。
アンドロイド将校が、マーベルのファルコンを頼りがいのある役に仕立てたアンソニー・マッキーのせいか血肉に溢れ、理詰めで行動する人間側のドローン操縦士の方がマシン的だったり、その関係性もバディムービーとして新味。見せ場のアクション映像は一級品で、物語の落とし前も痛烈で◎