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ファイナル・プラン (2020):映画短評

ファイナル・プラン (2020)

2021年7月16日公開 98分

ファイナル・プラン
(C) 2019 Honest Thief Productions, LLC

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 2.8

なかざわひでゆき

予定調和も含めて楽しめる良質なB級アクション

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 愛する女性と出会った伝説の銀行強盗が、人生をリセットするべく過去の罪を清算しようとしたところ、その弱みに付け込んだFBIの悪徳捜査官によって罠にはめられ、やがて猛反撃に転じていく。『96時間』以降すっかりB級アクション路線が定着したリーアム・ニーソンだが、まさにそのファン層を的確に狙ったドンピシャな企画。一枚も二枚も上手な主人公がまんまと敵をやり込めていく終盤の展開は痛快で、確かにストーリー自体は予定調和の連続ではあるものの、だからこそ深いことを考えず安心して楽しめる。思うに、ジェフリー・ドノヴァンが悪役だったらもっと盛り上がったかもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

リーアムの水戸黄門化が止まらない!?

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

L・ニーソンの『水戸黄門』化が進行し、どんな展開になっても大船に乗った気分で見ていられる。というわけでハラハラ感はなく、悪人がどのような正義の裁きを受けるのかが見どころ。敵が欲に目が眩んだ司法権力であり、彼らに比べたらアリのような小物のはずの泥棒が逆襲に出るというのも痛快ポイント。ニーソンが演じる“良心的”な銀行強盗カーターは爆破が専門の元軍人という設定なので、バッコンバッコン爆発するかと思ったが、そこは抑え目。予算の問題か? 大作出演が多く、期待度の高いJ・コートニーもニーソンの相手役としては力量が足りておらず、演じるキャラの末期が予想できてしまうのが難点か。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

またも怒れるオッサンの最高芸だが、今回は新たな感触も

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ここ数年のリーアム・ニーソン主演作の流れに乗り、またも主人公が雄牛のごとく暴走するのだが、今回は役どころが「現役の犯罪者」なのが異色。過去にも似たパターンがあったとはいえ、純粋な恋愛のために闘う運命も追加。自らの落とし前をつける悲壮感も漂い、“怒れるリーアム映画”の新型を繰り出してきた印象だ。

さすがに格闘シーンは抑え気味だが、爆弾のエキスパートらしい巧妙な作戦や交渉術は一級品。何より、銃をかまえるポーズは国宝級の美しさと断言したい。

捜査官たちのキャストも味わい深く、とくに良心で葛藤するFBI役のアンソニー・ラモスは、主演の『イン・ザ・ハイツ』といい、“感情移入させる”演技の名手と納得。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ブラックコメディのような味わいも

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

いい感じのカノジョがデキたため、これまでの罪を自首しようとしても、刑事たちになかなか信じてもらえない“正直すぎる大泥棒”。そんなリーアム・ニーソンの困惑した顔が見どころだけに、おなじみ“ナメてた相手が最強でした”映画の変化球といえるだろう(今回は元海兵隊の爆弾処理班)。そんな一件を担当することになるFBI捜査官がジェイ・コートニーという時点で、その後の展開がミエミエなのだが、ブラックコメディのような味わいも珍妙さを醸し出す。全体的にアクションが少ないぶん、双方の駆け引きなどのドラマで引っ張り続けるが、煽り気味なマーク・アイシャムによる劇伴に助けられている感もアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

理屈を無視して楽しむのが正解

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

「96時間」でリーアム・ニーソンが突然アクションスターになったのは、彼が56歳だった2008年のこと。以後、この路線を突っ走ってきた彼の最新作は、展開が早く、次々にいろんなことが起こって退屈させない。「いや、これはないでしょ」と感じる非現実的な要素もちらほら出てくる(そもそもの設定自体もそこに入るかもしれない)のだが、そこはご愛嬌。こういうのはもう寝ていてもできるという感じのニーソンは、ある意味安心を与えてくれるし、素直に応援もしてしまう。とくに新しいことはないものの、アクションもたっぷりならユーモアもあり、何も考えずに楽しみたい時にはぴったりのB級エンタメ映画だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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