ひらいて (2021):映画短評
ひらいて (2021)ライター2人の平均評価: 4
それは本当に恋心なのか、それとも単なる独占欲なのか
クラスでも目立つ美少女の女子高生が恋したのは地味で控えめな同級生男子。だが、彼には既に何年も交際中の恋人がおり、決して振り向いてくれないと悟ったヒロインは、ならばいっそのこと彼の愛する相手を奪ってしまおうと考える。それは本当に恋心なのか、それとも単なる独占欲なのか。自尊心が強くて欲しいものは手に入れないと気が済まない。そんな身勝手な恋愛感情ゆえに周りどころか相手の気持ちすら見えない思春期の少女が、とことんまで傷つき打ちのめされることで他者への思いやりと無償の愛を知る。感情のひだまでを丹念に捉えた繊細な心理描写が、時として残酷なくらいナイーブな若者たちの心の揺れ動きに真実味を与えている。
こんな三角関係もあるのか!?
恋心が止まらない、そんな一本です。
ヒロインの山田杏奈の、恋の暴走っぷりもいいですが、とにかく芋生悠がぴか一です。どんどん売れっ子になっていくのも納得で、彼女の存在が、物語の設定を地に足のついたものにしています。
イノセントさとリアルさの絶妙なバランス感覚で成り立っていて、正直唸りました。
恋心が止まらなくなると、こんな三角関係もあるのか!?と驚かされました。恋というものの持つエネルギーを感じたくなったら最適な一本と言えるでしょう。