群がり (2020):映画短評
群がり (2020)荒唐無稽に振り切って欲しかったフランス産エコホラー
フランスの片田舎で食用イナゴの養殖に悪戦苦闘するシングルマザーが、イナゴの好物が人間の血であることに気付いて大量繁殖に成功するものの、血の味を覚えたイナゴの大群が暴走してしまう。イナゴや蜂の子の佃煮を食する地域の出身者としては、そもそも「イナゴを食う」ってだけでヒロインが狂人扱いされるのは腑に落ちませんな(笑)。それはともかく、そこそこ血生臭いゴア描写もありつつ、しかし周囲の無理解やビジネスの苦境にメンタルを病んでいくヒロインの心理描写に比重を置き過ぎたことは否めず。いっそのこと『燃える昆虫軍団』とか『スウォーム』みたいに荒唐無稽なパニックホラーを目指して欲しかったように思う。
この短評にはネタバレを含んでいます