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フタリノセカイ (2021):映画短評

フタリノセカイ (2021)

2022年1月14日公開 83分

フタリノセカイ
(C) 2021 フタリノセカイ製作委員会
くれい響

随所に監督の優しさがにじみ出る

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

坂東龍汰と片山友希という若手実力派といえる2人の俳優が、トランスジェンダーとして葛藤する彼とその彼女という、かなりハードルが高い役どころを好演。なかでも、アドリブで演じ切った喫茶店のシーンは、見どころといえるだろう。“2人の世界”の前に立ちはだかる現代社会の厳しさをリアルに描きつつも、自身もトランスジェンダーである飯塚花笑監督の優しさが随所ににじみ出ており、いつの間に観客も2人の行く末を温かく見守ることに……。予算の問題もあってか、いろいろ詰めの甘さも目立つものの、十年に及ぶ愛の物語を83分でテンポ良く描き切った点と、賛否ありながらも希望を感じられるラストに、★おまけ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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