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うってつけの日 (2023):映画短評

うってつけの日 (2023)

2024年11月30日公開 69分

うってつけの日
(C) 2023「うってつけの日」
相馬 学

何気ない日常の中で、何かが確実に変わる

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 別れた男女の再会の数日間を描いた本作。ドラマチックなことは何も起こらない。それでも確かに沁みてくるものがある。

 感情があらわになる瞬間は皆無。“なんか~”“そっか”“ありがとう”などの、ごく普通の会話が積み重なるリアル。ヒロインがつくり出す音楽の反復ビートにも似た何気ない日常の積み重ね。スケッチを連ねたような俊英、岩﨑敢志の演出が滋味深さを醸し出す。

 ヒロインの表情のかすかな変化や、キーアイテムとなる“車”の意味を読み取ると、本作はより味わい深いものになるはず。静かな語り口ゆえに、胸を揺さぶられる好編。

この短評にはネタバレを含んでいます
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