成れの果て (2021):映画短評
成れの果て (2021)自己チューな人間たちの地獄&修羅場
今や単館系作品を中心に、助演としてノリに乗ってる萩原みのりだが、『お嬢ちゃん』以来、3年ぶりとなる主演作でも、姉の突然の結婚を機に、過去のトラウマが甦った悩めるヒロインを熱演。若手演技派としての一面を垣間見ることができる。原作が戯曲だけに、こぢんまりした印象が強いうえ、登場人物に感情移入できない部分もあるが、柊瑠美演じる対峙する姉のほか、自己チューでどうしようもない人間たちが巻き起こす地獄&修羅場が連鎖。地方都市ならではの厭な空気感が醸し出されるなか、過去作でもサスペンス演出が目を引いた宮岡太郎監督作だけに、衝撃のクライマックスまで目が離せない。
この短評にはネタバレを含んでいます