パイプライン (2021):映画短評
パイプライン (2021)韓国映画らしい社会風刺を込めた新趣向のケイパー・ムービー
送油管から石油を盗んで転売する…という盗油犯罪のプロがワケアリな大企業の御曹司に雇われ、これまたワケアリな負け犬集団たちを従えて大規模な盗油作戦に挑むというお話。ケイパー・ムービーといえば銀行強盗やらカジノ強盗あたりが定番だが、こちらは韓国全土に張り巡らされた石油パイプラインがターゲットという新趣向。基本的に地味な作業であるため派手な見せ場にはいまひとつ乏しいものの、熾烈な競争社会や格差社会の歪んだ構造をストーリーに投影しつつ、搾取されることに嫌気のさした負け犬たちが奮起し、一致団結して横暴な資本家の鼻を明かすという下剋上ドラマはなかなか痛快だ。
この短評にはネタバレを含んでいます