灯せ (2021):映画短評
灯せ (2021)表現者としての初期衝動を感じずにはいられない
上映が中止になった映画監督、公演が中止になった舞台俳優、そしてライブが中止になったラッパーと、緊急事態宣言によって、行き場がなくなった3人のアーティスト。灯りが消え、静寂した渋谷や新宿の街並みとともに、彼らの姿が綴られていくなか、次第に安楽涼監督おなじみの展開ともいえる感情が剥き出しになっていく。劇中に登場する監督は紛れもなく安楽監督自身であり、『アルプススタンドのはしの方』ばりに「しょうがない」というネガティブワードを一蹴。表現者としての初期衝動を感じずにはいられない24分間であり、劇場の暗闇で体感することで、その熱量をよりダイレクトに受け止めることができるはず。
この短評にはネタバレを含んでいます