牛久 (2021):映画短評
牛久 (2021)日本の国際的な信用と日本人の人権意識に関わる問題
牛久の入管施設に収容された外国人への取材を通して、その内部の実態を明らかにしていくドキュメンタリーである。クーデターで家族を殺された者、少数民族への迫害に遭った者など、母国で命の危険に晒されたことから、安全で平和な国だと聞いた日本へやって来た彼らだが、しかしそこで待っていたのは無期限の強制収容と精神的および肉体的な虐待の日々だ。彼らが言う。日本はなぜ難民を受け入れるつもりがないのに申請書を配っているのか。先進国としての体面を取り繕うためではないかと。生きる希望を失い衰弱していく彼らの、苦渋に満ちた表情と滲み出る涙に胸が痛む。日本の国際的な信用と日本人の人権意識が問われる。
この短評にはネタバレを含んでいます