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ガンパウダー・ミルクシェイク (2021):映画短評

ガンパウダー・ミルクシェイク (2021)

2022年3月18日公開 114分

ガンパウダー・ミルクシェイク
(C) 2021 Studiocanal SAS All Rights Reserved.

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

なかざわひでゆき

女たちの抵抗と連帯を描くシスターフッド版『ジョン・ウィック』

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 組織を敵に回してまで幼い少女を守ろうとする孤高の女殺し屋。そんな彼女に、自らも殺し屋だった母親とその仲間たちが加勢し、組織との全面戦争に打って出る。さながらシスターフッド版『ジョン・ウィック』。男どもが好き放題に牛耳る裏社会で搾取されてきた現役世代と旧世代の女性たちが連帯し、もはや男の決めた勝手なルールになんか従うもんか!とばかり、次世代を担う少女のために立ち上がるというわけだ。セルジオ・レオーネからジョン・ウー、ニコラス・ウィンディング・レフンまで様々なオマージュを散りばめつつ、ハードなアクションとバイオレンスをネオンカラー煌めくスタイリッシュな映像でまとめあげている。なかなか痛快!

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

スピーディな展開で魅せる女性版『ジョン・ウィック』

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『オオカミは嘘をつく』の巧妙なストーリーテリングで注目されたN・パプシャド監督。この新作ではヒロインの死闘を描きながらアクション愛を謳う。

 黒澤やレオーネのスタイルを消化しつつ、様式美にスピード感を加えたアクション演出。ドラマ面での苦難克服のエピソードと相まって、キャラクターたちを肉体的にも精神的にも逞しく見せる。

 殺し屋への武器供給用の場が図書館という設定は、いかにも無国籍アクション風。タランティーノ以後というよりは『ジョン・ウィック』以後という方がピッタリくる劇画的エンタテインメント。ヒロインの活躍はもちろん、先輩殺し屋たちの、それぞれのタフネスにも見惚れる。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ミシェル・ヨー、「必殺仕事人」と化す

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

男だらけのダーク・スリラー『オオカミは嘘をつく』から一転、ナヴォット・パプシャド監督が挑む、女だらけのヴァイオレンス・アクション。タイトルからも読み取れるポップ&キャッチーさは、血の雨が降るボーリング場や図書館、歯医者、ダイナーでも表現。180cmの身長と長いリーチを生かした戦い方を魅せるカレン・ギランら、女たちの関係性は「子連れ狼」×「女囚さそり」であり、ミシェル・ヨーに至っては鎖を武器に「必殺仕事人」と化すなど、ジャパニーズカルチャーからの影響も大。そういう意味では、タランティーノ・フォロワーでありながら、マシュー・ヴォーン感も取り入れたシスター・フッド映画といえる。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

凶暴でキュート、そして極彩色

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのネビュラことカレン・ギランと、『ゲーム・オブ・スローンズ』のサーセイことレナ・ヘディが、凄腕ガンマンでしかも母娘っていうだけで、もうOK。さらにアンジェラ・バセット、ミシェル・ヨーら、ルックスからして絶対強いに決まってる女たちが結集して迫力倍増。タイトル通り、凶暴さとキュートさが同時に存在する世界を描くべく、ムチャな設定に、原色の多い濃い色彩とハデな構図を掛け合わせ、コミック的なテイストを狙う。小ネタでは、図書館の本をくり抜いて武器が隠されていて、何の本に何が隠されているのかというカップリングも楽しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

アクションに説得力がある。これ、とっても大事!

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

人気より実績重視。キャスティングが作品の魅力に寄与した成功例。『ジョン・ウィック』も彷彿とする殺し屋チームはオール女性だが、ベテランのミシェル・ヨーから主演のカレン・ギランまで、アクション系の経験を積んだ、そっち方面の実力派ぞろいで、ポイントとなるバトルシーン、特に連携プレーに“やっつけ感”が希薄。女性/男性を意識させない流れを作りつつ、母性愛をさりげなくまぶすあたりもうまい。
「腕が動かせない」状態でどう戦うか…など、アクション映画のルールをまっとうする痛快さを備えながら、超強烈なバイオレンスに時折、目を伏せたくなるも、映像と小道具はポップなノリで狂気を中和。全体のバランスも計算されている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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