ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック (2020):映画短評
ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック (2020)ライター2人の平均評価: 5
ラブ&ピースな西海岸ロックの聖地がステキすぎる!
‘60~’70年代にかけて、ザ・バーズやザ・タートルズ、モンキーズにドアーズにママス&パパスにジョニ・ミッチェルなどなど、大勢のミュージシャンが移り住んで音楽家コロニーを形成したロサンゼルスのローレル・キャニオン。そんな西海岸ロックの聖地の黄金時代を、当時の記録映像や写真、さらに当事者たちのコメントを織り交ぜて振り返るドキュメンタリー。ハリウッドから車ですぐとは思えぬ豊かな自然環境。お互いにライバル視などせずに助け合い、鍵も開けっ放しで自由に家を行き来する。そうした中から友情や愛情が育まれ、数々のヒット曲も生まれた。これぞまさしくラブ&ピース!あの時代のL.A.に行ってみたくなる。
大都会の田舎、に咲いていた愛と夢の10年の軌跡
ザ・バーズからイーグルスまで、との文脈で語られる壮観の西海岸ロック史。そこにはバッファロー・スプリングフィールドやフライング・ブリトー・ブラザーズ等ばかりか、ラヴやドアーズ、モンキーズまで居た。トキワ荘ではないが、奇跡の共生が成り立っていた聖地の美しき記録。
だが69年8月、「すぐ近く」のハリウッドでシャロン・テート事件発生。以降もセカンドシーズン(70s前半)まで延長するが、巨大産業化と競争社会の波により夢の終わりがやって来る。ちなみに此処から「少し遠く」に居を構えていたのがフランク・ザッパで、UCLA映画科出身(つまりドアーズの後輩!)だったスパークスのメイル兄弟は英国に渡ることになる。