なまず (2018):映画短評
なまず (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
人間ってややこしい!
とある病院で発見されたエッチなX線写真。そこには男女の下半身しか映っていないのだが、看護師ユンヨンは誰かが自分と彼氏のエッチを盗撮したと思い込んで辞表を提出したところ、同じように自分の写真だと考えたスタッフ全員が欠勤してしまう…?という奇妙な珍事件を発端に、ヒロインの周辺で次々と起きるおかしな出来事を、病院の水槽で飼われる「なまず」の視点から描いていく。いやあ、これはなんとも変な作品ですな。世の中、疑い出したらきりのないことだらけ。人は本当に信頼しあえるのか。真実とはいったい何なのか。ポップでシュールなストーリーがそんな疑問を投げかける。人間ってややこしい。
ポップでシュールなヘンテコ恋愛劇
看護婦とダメ男のラブストーリーを軸に、レントゲンやシンクホール、ゴリラといったキーワードが絡み、謎が謎を呼んでいく。ツンデレも魅せる芸達者ぶりが、ときに河合優実にも見えてくるイ・ジュヨンに、マジメにすっとぼけてる副院長役のムン・ソリ。そのうえ、チョン・ウヒがナレーションを務めるなまずの声を担当するほか、患者役でキム・コッピが登場するなど、妙に豪華なキャスト×ポップでシュールな作風が、韓国インディーズの可能性を感じさせてくれる。後半にかけて、どこか迷子になりつつ、失速感は否めないが、あわよくば、第二のポン・ジュノにも化けしそうなイ・オクソプ監督のセンスに、★おまけ。