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千夜、一夜 (2022):映画短評

千夜、一夜 (2022)

2022年10月7日公開 126分

千夜、一夜
(C) 2022映画『千夜、一夜』製作委員会
相馬 学

“待つ”という行為の残酷

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 愛する者の“失踪”に直面した人間の心的な葛藤をクローズアップ。その痛みや苦しみが、丁寧な語り口から生々しく伝わってくる。

 北朝鮮拉致問題の、ある意味最前線である佐渡島を舞台にしているが、それは主人公たちが求める失踪のひとつの“理由”として機能。社会派に偏らず、あくまで待つ身の辛さにドラマの軸を置く。

 愛する人と再会する“夢”という概念をまじえながらも、ドキュメンタリーを思わせる観察的な映像が生き、語り口は徹底してリアル。比較的高年齢のキャストにも過疎の地方都市の現実が見えてきて、やるせない気持ちになった。重い。しかし、確実に歯応えがある。

この短評にはネタバレを含んでいます
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