神田川のふたり (2021):映画短評
神田川のふたり (2021)シュールで純度高めな青春映画
「幸福橋から井の頭公園にかけて、神田川沿いを男女二人が行く」だけの話だが、冒頭40分間に及ぶワンカット撮影がとにかく圧巻! 佐藤宏演じるオレンジジャージ男が暴走し、映り込んではいけないものが映り、アドリブ連発でセリフ噛み噛みのハプニングが起こるなど、不思議な感覚に陥っていく。その後も、擬音を発するシュールさなど、いまおかしんじ監督らしい演出が炸裂するなか、『にじいろトリップ』に近い、エロ要素なし、ノスタルジー漂う純度高めな青春映画として着地。これだけ作家性が強いのに、上大迫祐希と平井亜門による瑞々しい掛け合いが魅力的で、キラキラ映画としても楽しめる。
この短評にはネタバレを含んでいます