ビューティ (2022):映画短評
ビューティ (2022)詩的で、すべてが夢の中のよう
数々の名曲をバックグラウンドにスタイリッシュな映像がつなぎ合わされていくのは、いかにもミュージックビデオ出身の監督らしい。時間を行ったり来たりさせ、詩的な雰囲気で語っていくやり方はユニーク。しかし、ミュージックビデオ同様、奥行きがないとも感じる。主人公の若い黒人女性ビューティは、家では強い父親にコントロールされ、外では白人に受ける音楽をやれと言われる。さらに同性愛者であることをおおっぴらにできずに抑圧されてもいるが、それらの興味深い要素は深く掘り下げられないし、彼女がすごく強い感情表現をすることもない。意図的なのだろうけれども、すべてが夢の中のような描かれ方で物足りなさが残る。
この短評にはネタバレを含んでいます