オカルトの森へようこそ THE MOVIE (2022):映画短評
オカルトの森へようこそ THE MOVIE (2022)ライター2人の平均評価: 4
ユーモアと恐怖のバランスも絶妙なホラー・モキュメンタリー
『ノロイ』や『オカルト』の白石晃士監督が久しぶりに撮ったホラー・モキュメンタリー。落ち目のホラー映画監督とその助手が、怪現象を訴える若い霊感女性を取材するべく、カメラを片手に山奥の一軒家を訪れたところ、そこで世にも恐ろしい光景を目の当たりにする。正義の味方を自称するスーパーボランティアにキザなホスト風のイケメン霊媒師、言い訳ばかりで役に立たないコワモテ僧侶など、クセ強めな面白キャラが次々と登場。中でも、頭のイカレた霊感女性役の筧美和子の怪演は出色だ。それでいて、ショッキングな恐怖シーンはしっかりと怖い。VFXを使ったモキュメンタリー演出もなかなか巧妙。最後のオチにもニヤリとさせられる。
これぞ白石晃士監督作の集大成
これまで多くのPOV&モキュメンタリー・ホラーを手掛けてきた白石晃士監督だが、『オカルト』×『カルト』ともいえる展開に、WOWOW製作による予算、そして123分という上映時間から見ても、明らかに集大成といえるだろう。『オカルト』の不気味キャラから一転、孤高のヒーローと化した江野祥平を演じる宇野祥平に、「コワすぎ!」でおなじみの助手・市川実穂を堀田真由が演じるといったギャップに加え、『カルト』のNEOをアップデートさせたイケメン霊能者の活躍など、白石監督作ファンにはたまらない仕掛けが多数。しかも、終盤には宇野祥平VS伊能昌幸という激アツな対戦が用意されているなど、そのサービス精神に脱帽。