映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア) (2023):映画短評
映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア) (2023)「理想郷」の欺瞞を暴く古沢良太脚本の「ドラえもん」
タイトルからしてメルヘンチックな内容かと思ったら、まったく逆。「理想」「天才」「パーフェクト」なんてキラキラした謳い文句は胡散臭いから気をつけろ、と観客の子供たちに教え込むストーリーだった。さすが、作品を通して何度もさまざまな欺瞞を暴いてきた古沢良太脚本。画面は超絶カラフル。「こんな世界に行ってみたい!」と子供たちに思わせてから、ちゃんと化けの皮を剥ぐ。小学校でも教える「多様性」と「SDGs」をプッシュしつつ、伏線回収もお見事。「ネコ型ロボットは人間の友達」と再確認した上でのドラえもんとのび太の親友感、バディ感にも泣けた。ただし、事件の結末のつけ方の古さには少々疑問が残る。
この短評にはネタバレを含んでいます