みんなのヴァカンス (2020):映画短評
みんなのヴァカンス (2020)等身大でイナタ~い、それゆえ珠玉!
ギヨーム・ブラック監督の最高傑作か? 『女っ気なし』『7月の物語』から長い時間を掛けてホップ、ステップ、ジャンプ。冴えない男性性を主体に、人種や階層など「今のフランス」の庶民感覚にアジャスト(川や市民プールの避暑地!)。『やさしい人』等と同様、「弱い男」が歪んだ暴走に転じた時の危うさも示唆するが、あくまでも逸脱に至らず、ヴァカンス映画の心地よさのトーン&マナーに落とし込む。
ワークショップでは『40歳の童貞男』等を参照したようだが、確かにジャド・アパトー映画の登場人物たちが、エリック・ロメールやジャック・ロジエの世界に迷い込んだ趣。監督お気に入りの細田守『おおかみこども』Tシャツにもウケた。
この短評にはネタバレを含んでいます