湯道 (2023):映画短評
湯道 (2023)ライター2人の平均評価: 3
本物の銭湯さながらの巨大セットに注目
「HERO」「ラジエーションハウス」『マスカレード・ホテル』など、ひとつのセットを軸に物語が展開する鈴木雅之監督作らしさを感じるうえ、長回しによって銭湯セットを魅せていく終盤のダイナミックな演出はさすが。『テルマエ・ロマエ』のような突き抜けた笑いはないものの、まさかの橋本環奈と夏木マリによる舞台版「千と千尋の神隠し」オマージュや、さりげなく意外なキャラが登場するなど、豪華キャストによるお祭り映画感はアリ。とはいえ、強引に生死を扱うなど、いかにも小山薫堂らしい脚本のあざとさと甘さが見え隠れ。そのため、同じ銭湯を舞台にした人情劇『こころの湯』には遠く及ばずといったところだ。
リラックス効果があります
寒い季節にぴったりで、”いいお湯”という言葉をそのまま映画にしたような暖かい作品です。”湯道”の提唱者小山薫堂によるオリジナル脚本は言った者勝ちの部分もあるのですが、楽しんでしまったのでOKでしょう。シンメトリー大好き鈴木雅之監督にとって番台で左右に男湯と女湯分かれている構造の銭湯なんてたまらない舞台設定なのでは?。生田斗真、濱田岳、橋本環奈を筆頭に隅々まで豪華キャストが揃っていますが、誰一人として力んだ様子を見せないので、映画を見ていてリラックス効果を感じられます。そんな意味でもお風呂の映画と言えますね。