浦安魚市場のこと (2022):映画短評
浦安魚市場のこと (2022)我々の生活、文化、歓び、小さな場について
かつて快作『アナタの白子に戻り鰹』(MOOSIC LAB 2013)に主演し、「役者やのォー」という抜群の画面映えする存在感を見せつけた森田釣竿。このドキュメンタリーは彼の魅力と求心力を中心に、閉場を控えた浦安魚市場の記録を通して、日本の水産業や魚食文化、ローカリズムとグローバリズム等の諸問題を照射していく。
監督の歌川達人は「目の前の現実」を捉える事に集中。そこで最もシンプルに浮上する主題は「場」の損失ではないか。筆者の中ではマンハッタンのインディレコードショップのドキュメンタリー『アザー・ミュージック』と重なった。ミニシアターも然り、我々の大切な「小さな場」の意義を改めて考えさせられる。
この短評にはネタバレを含んでいます