死を告げる女 (2022):映画短評
死を告げる女 (2022)働く女性にのしかかる重圧を恐怖の根源とした韓流ホラー
視聴者から「自分と娘が殺される」との電話を受け取ったテレビ局の看板女性キャスター。実際に電話の主であるシングルマザーと幼い娘の遺体が発見され、やがてヒロインの周辺で不可解な出来事が起きていく。基本的には心霊ホラーを装ったサイコ・スリラーで、謎の真相そのものに目新しさはないものの、ユニークなのは「男性社会において働く女性が受ける理不尽な重圧」を恐怖の根源としている点であろう。中でも、妊娠・出産によってキャリアを断たれるという現実が、いわば世代を超えて女性に受け継がれる、しかし断ち切らねばならない「呪い」として描かれていることは興味深い。監督・脚本が女性だからこそ作り得た作品といえるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます