長ぐつをはいたネコと9つの命 (2022):映画短評
長ぐつをはいたネコと9つの命 (2022)ライター2人の平均評価: 3
プス自身もアニメーションスタイルも進化した
「シュレック2」で初登場し、たちまち大人気を得てから、もう20年近く。今作も冒頭からアクション、ダンス、音楽たっぷりのシーンで始まり、エネルギッシュさと楽しさいっぱい。「シュレック2」で大ウケだった可愛い表情のギャグのアンコールもある。ただ、人生はいつか終わるもので、しかもそれはすぐそこに来ているのかもしれないと気づく今作のプスは、これまでより少し大人になった感じだ。アニメーションの面でも、最近ハリウッドのアニメーションでトレンドである2D要素をブレンドするスタイルを取り入れていて、モダンになっている。前半には猫がたくさん出てくるシーンがあるので、猫好きはぜひお楽しみに。
いつものように大人向きの物語も魅力的
いつもおとぎ話のパロディが楽しい、このシリーズの魅力は健在。英国童話「三匹の熊」の女の子ゴルディと熊たち、マザーグースのジャック・ホーナーが大活躍、さらにメリー・ポピンズ、シンデレラ、ピーターパン、白雪姫、アラジンなどの関連アイテムが、ディズニー映画を意識しつつ続々登場。
そしてやっぱり『シュレック』第1作からずっと、このシリーズはストーリーで大人も唸らせる。見る者によって内容が変わる地図は、何の野望も持たない捨て犬が見ると、もっとも通行しやすい道を表示する。どんな願いも叶えてくれる"願い星"を手に入れようとする人々は、やがて自分の願いの本質を知る。そんな大人向きの物語も魅力的。