ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~ (2023):映画短評
ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~ (2023)“今”をとらえる背景とキャラクターが噛み合わない
いわば「招かれざる客」(1967)の現代版。人種への偏見がある社会を風刺するブラックなコメディなのだが、残念にもリアリティに欠ける。背景として出てくるL.A.がまさに“今”をしっかりとらえているだけに、キャラクターが嘘っぽく感じられるのだ。違う人種に対する態度が2023年のL.A.に住む人たちにしてはあまりにステレオタイプで、笑いを狙うセリフのいくつかにも「こんなこと、今の人が本当に言う?」と思ってしまった。「Saturday Night Live」のスケッチコメディのように超バカバカしければ良いのだが、今作はトーンがばらばら。エディ・マーフィにコメディの見せ場があまりないのももったいない。
この短評にはネタバレを含んでいます