窓ぎわのトットちゃん (2023):映画短評
窓ぎわのトットちゃん (2023)世界中で戦火が上がっている今こそ必見のアニメ映画
子どもたちが毎日を精一杯楽しく生き生きと暮らしている様を見ると、それだけで胸がいっぱいになる。だけど、子どもたちがいろいろなものを奪われていく様を見ると、とても胸が苦しくなる。注目すべきは昭和10年代の東京を描いた美術。その描き込みには執念さえ感じる。太平洋戦争開戦後、急速度で社会が一変していく様子は、主人公のトットちゃんが変わらないからこそ印象に残る。子どもたちから食べ物を、友達を、ペットを、住む家を、学び舎を奪ってしまう戦争についてどう考えるのか。今こそ観るべき映画だと思う。『この世界の片隅に』に感銘を受けた人もぜひ。トットちゃんを演じた大野りりあな(7歳)もすごかった。
この短評にはネタバレを含んでいます