ハンガー:飽くなき食への道 (2023):映画短評
ハンガー:飽くなき食への道 (2023)社会の格差、“持つ者”の傲慢を問いかける
「ザ・メニュー」「逆転のトライアングル」同様、格差についての話だが、ダークコメディのこれら2作と違い、一般女性の視点からまっすぐに語る。「貧乏人は飢えを満たすために食べる。食べ物以上のものを買える時、飢えはそこで終わらない」と、セレブに愛される有名シェフはいう。しかし(『ザ・メニュー』でも触れられたように)、彼を雇えるリッチな人たちは、本当に料理を味わっているのか?ただ「それができる自分」を楽しんでいるのではないか?実は、その有名シェフ自身も持たざる階級の出身だ。その野望と複雑な心理を、主人公の女性と並行して描いていく。愛のある料理とない料理の見せ方もうまい。
この短評にはネタバレを含んでいます