ロスト・キング 500年越しの運命 (2022):映画短評
ロスト・キング 500年越しの運命 (2022)40代女性の状況が、リチャード三世の境遇と接点を持つ
2012年の英国レスター、500年間も行方不明だったリチャード三世の遺骨を発見したのは、大学教授ではなく、2人の子供を育てながら働く女性だった。この実話を元に映画化。職場でも学界でも軽んじられる40代の女性が、シェイクスピアの戯曲の影響で不当に扱われてきたリチャード三世の研究に没頭し、やがて、少女たちへの講演で「これは人生で正当な評価を得られず、真価を発揮できずにいた人の物語です」と語り始める。
サリー・ホーキンス演じる主人公は、大声で主張はせず、柔らかな物腰のまま必要な行動を続ける。彼女の別居中の夫役は、脚本・製作にも参加したスティーヴ・クーガン。その飄々とした佇まいもこの世界に似合う。
この短評にはネタバレを含んでいます