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ふれる。 (2024):映画短評

ふれる。 (2024)

2024年10月4日公開 106分

ふれる。
(C) 2024 FURERU PROJECT

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

村松 健太郎

青春からの卒業式

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

『あの花』『ここさけ』『空青』と”青春”という時期を強く意識させる作品を手がけたクリエイター陣による、”青春からの卒業”を描いた物語。これまでの作品より一歩先を行く世代の思い悩む部分を”ふれる”という不思議な存在を介在させて描き出しました。一つの世代をフィーチャーした物語ではありますが、気持ちの伝わり方、伝え方という普遍的なテーマをもった物語にもなっていました。まさに今、大人の階段を上っているリアルタイム世代はもちろん、この時期を過ごしてきた人たちの心にも刺さるのではないでしょうか?

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

あえて、ファンタジーになりすぎない

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 幼い頃からの親友3人が、20歳になってそれぞれの道を歩み始め、はたして自分たちは親友のままでいられるのかと考える。そんな成長の一過程を描く物語なので、ファンタジー要素を用いつつ、あえてファンタジーになりすぎない、その微妙な配合ぶりが妙味。 

 3人が幼少時に親友になる契機となった存在の名前は「ふれる」。その体表には触れると痛いトゲがある。3人が暮らす高田馬場の古い日本家屋の洗面所、その家がある路地の写実的で細密な描き込み。アニメ声優ではない俳優が3人の声を演じるのも、リアルさのための演出か。物語の後半、超常的な事象が起きるが、その幻想的な光景も、あくまでも日常の風景と繋がっている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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