アイ・アム セリーヌ・ディオン ~病との戦いの中で~:映画短評
アイ・アム セリーヌ・ディオン ~病との戦いの中で~現在進行形の葛藤を赤裸々に語る
2022年末、非常に稀なSPSという病気の診断を受けたことを公表したセリーヌ・ディオンが、そこに至るまでの過程と今に焦点を当てるこの映画は、セレブのドキュメンタリーが陥りがちな、ファンサービスのそれとはほど遠い。事実、監督のアイリーン・テイラーはこの手のテーマを手がけたことはないし、ディオンのファンでもなかったという。自分を導いてくれる存在だった歌、声を奪われた心境を赤裸々に、涙ながらに語るディオンの姿は見ていて心を打たれる。現在進行形のこの話にまだハッピーエンドはないが、人並外れた才能を持つ彼女がひとりの人間として闘う姿に強く共感し、寄り添わずにはいられない。
この短評にはネタバレを含んでいます