憑依 (2023):映画短評
憑依 (2023)ライター2人の平均評価: 3.5
スカッとする退魔コメディーアクション
不気味なホラーというより、スカッとした退魔アクション。題材は韓国の伝統的な宗教文化だが、コメディー要素も取り入れられたド派手なアクション映画になっている。霊感のないインチキ祈祷師が本格的に退魔に乗り出すというストーリーもシンプル。主人公を演じるカン・ドンウォンがひたすらカッコいい。冒頭で『パラサイト 半地下の家族』の家政婦夫婦(イ・ジョンウンとパク・ミョンフン)が大金持ち夫婦の役で登場するというギャグがあるのは、本作が『パラサイト』で助監督を務めていたキム・ソンシク監督のデビュー作だから。『天博士退魔研究所』という原題を見ると続編の可能性は十分高そう。
K-ホラーにMCUのエッセンスをプラス
韓国ホラーは土着テイストが強く本作にもその要素はあるが、着地点はむしろハリウッド映画の痛快さに近い。
祈祷師の血を引くインチキ除霊師が、ある霊的な事件の調査によって自身の能力に覚醒するという展開は、マーベルのヒーロー映画の各シリーズ第1作に通じるつくり。オカルトホラーの怖さよりも、アクションファンタジーのワクワク感の方が先に立つ。
性格には少々難があるがクールでイケメンの主人公像に、カン・ドンウォンの個性がピッタリはまった。主人公と仲間たちのチームプレイもマーベル的な共闘スタイルで、ハイブリッドな面白さを感じさせる。